年金を受け取りながら働くときの「壁」
年金を受け取っている人がパートやアルバイトで働くと、収入が増えるにつれて税金や保険料がかかり始めたり、給付が受け取れなくなったりします。年金が少なめの世帯ほど、住民税がかかるかどうかの境目で手取りが大きく変わります。
| 壁 | 何が起きるか |
|---|---|
| 住民税 | 住民税がかかり始めると、65歳以上の介護保険料の段階が上がります。世帯のだれかに住民税がかかると、住民税がかからない配偶者の介護保険料も上がります。 |
| 年金生活者支援給付金 | 世帯全員が住民税非課税で、年金収入とその他の所得の合計が約83万円以下(補足的な給付は約93万円以下)の65歳以上に、年金に上乗せして支給されます(2026年度は満額で月5,620円)。本人が働いて住民税がかかると、配偶者の給付金もなくなります。 |
| 国保料・後期高齢者医療 | 所得が増えると保険料が増え、低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)も受けられなくなります。 |
| 医療費の窓口負担 | 75歳以上は、課税所得が28万円以上で、年金と給与などの合計が単身200万円以上(夫婦で320万円以上)になると2割負担になります。70〜74歳は2割で、所得が多いと3割です。 |
在職老齢年金で年金は減る?
厚生年金に入って働く場合、月給と厚生年金の月額の合計が月65万円(2026年4月から)を超えると、超えた分の半分の厚生年金が止まります。パートやアルバイトの収入では、まず止まることはありません。厚生年金に入らない働き方なら、いくら稼いでも年金は減りません。
勤め先の社会保険に入るとどうなる?
2026年10月から、従業員51人以上の会社で週20時間以上働くと、年収にかかわらず勤め先の健康保険と厚生年金に入ります(週30時間以上なら会社の規模に関係なく加入)。保険料の分だけ目先の手取りは減りますが、次のような良い点もあります。
- 70歳になるまで、働いた分だけ毎年の厚生年金が増えます(在職定時改定)。
- 75歳になるまでは国保ではなく会社の健康保険に入るため、国保料がかからなくなります。収入の少ない配偶者を扶養に入れられる場合もあります。
計算の前提
- 2026年(令和8年)の税制と保険料率で計算した1年分の概算です。税金・保険料・給付金は、その年の所得で計算しています(実際には前の年の所得で決まります)。
- 介護保険料は国の標準の段階(13段階)で計算しています。住民税の非課税の判定は1級地(大都市)の基準です。
- 年金生活者支援給付金の額は、老齢基礎年金の額から保険料を納めた月数を推計して計算しています。配偶者の給付金は、配偶者の年金をすべて老齢基礎年金とみなしています。
- 加給年金、医療費そのもの(窓口負担の割合が変わったときの負担増)、住民税非課税世帯向けの臨時の給付金は含めていません。
- 健康保険は協会けんぽ(都道府県の料率)、雇用保険は週20時間以上の場合に加入するものとしています。賞与はないものとします。
試算結果は入力した条件にもとづく概算です。実際の金額は、お住まいの市区町村からの通知や年金事務所で確認してください。